ひだまりで誓う桜色の愛
華やか王子のおせっかい
「悪いな。せっかくの休みに」

「別にいいよ。暇だったし」



翌週、金曜日の午後。

晴れた空の下、父と一緒に家を出る。



「それで、イメージは決まってるの?」

「まだ。花は、スイートピーかチューリップにしようと思ってる」

「1種類だけ?」

「今のところは。増やすかどうかは、実際に見てみないとわからないから」

「確かに、写真よりも実物見たほうがイメージしやすいもんね」



車に乗り込み、シートベルトを装着した。


今日は親子2人でドライブデート。
……ではなく、買い物の付き添い。

今月末、部下の人が寿退社するとのことで、退職祝いに贈る花束を注文しに、これからお花屋さんに行くんだ。



「そういえば、桜月も卒業式にもらってたっけ。何の花だった?」

「チューリップとガーベラ。どっちも1輪ずつ」

「ガーベラ……なんか聞いたことあるな。ヒマワリに似てるやつだった気が……写真ある?」

「あるよ。私がもらったのはピンクだから、あまりヒマワリ感はないけど……」
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