ひだまりで誓う桜色の愛
念入りに髪をセットしていた理由がわかって、微笑ましい気持ちになったっけ。

今月は忙しいだろうから、5月か7月くらいにまた会えたらいいな。


淡い期待を抱いた後、放置していたスクショを整理した。



十数分後、お花屋さんに到着。

中に入ると、色鮮やかな花々が目に飛び込んできた。

春が来たのもあり、種類も数も増えていて、店内がより一層明るく感じる。


はぁ……なんていい香り……。
全種類1色ずつ買って帰って、家中に飾りたい。

……ところだけど、私の家は共働きの一般家庭。
バイトはしているものの、全部下さいと言えるほどの金銭的余裕はない。


私の収入だと、せいぜい3000円分くらいかな。節約すれば4000円近くはいけそう。

……まぁ、どこかのお坊っちゃまなら余裕で可能なのだろうけど。



「桜月、ちょっと来て」



入口付近の花を眺めていたら手招きされた。

脳内に浮かんでいる人物を一旦頭の隅に置き、父の元へ向かう。
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