ひだまりで誓う桜色の愛
彼は沢村 宗星(さわむら そうせい)くん。
私と同い年の大学生で、バイトを紹介してくれた友人。

そして……。



「おつかい? 誰から?」

「妹。今日塾でテストがあるから糖分補給したいらしくて」

「なるほど。優しいお兄ちゃんですね〜」

「いやそんな。パシられてるだけだよ」



手を振って否定しているけれど、ほんのり顔が赤くなっている。

喜びを隠せない様子に思わず自分も頬が緩んだ。


落ち着いた話し方とか、ふとした時に見せる笑顔とか。

彼の醸し出す温和な雰囲気が好きで。密かに片想い中なんだ。



「今日も夕方に終わるの?」

「うん。残業なしなら5時に終わるよ」

「本当? もし予定ないなら一緒に帰らない?」

「いいの? おつかいあるのに、間に合う?」

「大丈夫。これから学校まで届けに行くけど、そんなに遠くないし。裏口で待ってるね」



にこやかに言い残すと、颯爽と去っていった。


春休みが始まって2週間弱。
偶然会えただけでも嬉しいのに、2人で帰れるなんて。

妹さん、ありがとう!


疲れが溜まっていたが、恋のパワーで回復。ルンルン気分で作業に戻った。
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