ひだまりで誓う桜色の愛

「……っ、ごめん。気持ち悪いよね」

「いやいや！　全然そんなことないよ！　沢村くんの前じゃ嘘つけないなぁって思っただけ」



慌ててフォローを入れる。しかし、顔を覆ってその場にしゃがみこんでしまった。



「ど、どうしたの⁉　あっ、もしかして私、何か失言を……」

「違う。千早さんじゃなくて俺の問題。マジごめん」



小さくなった彼から、「俺のバカ……」と自分を責める声が。お客さん達も一体何事かとチラチラ見ている。

これじゃ逃げてきた意味がないよ……っ。


放っておくわけにもいかないので、慰めながら立ち上がらせ、庭木売り場へ。



「大丈夫？　落ち着いた？」

「うん。騒いで気まで遣わせて、本当にごめん」

「いいって。そこまで人いなかったし。何かあった？」



休憩用のベンチに座り、うつむく彼の顔を覗き込む。


さっきまでは小さい子どものようなお茶目な笑顔だったけれど、今は顔全体に不安が表れていて、若干こわばったような顔。


温厚で礼儀正しい沢村くんが、若者言葉をこぼしてしまうくらい取り乱していたんだ。何かあったに違いない。