ひだまりで誓う桜色の愛
「……実は、ここに来る前、友達に叱られてさ」

「今日?」

「うん。この前話した、お返しする友達。中学の同級生で、女子の知り合いの中でも仲がいいほうなんだけど……」



すると、ゆっくり顔を上げて話し始めた。


どうやら、先月の私と同様、彼女のバイト先にお菓子を渡しに行ったのだそう。

喜んでもらえて一安心。
したのだが、嬉しさのあまり調子に乗ってしまったようで……。



「ホワイトデーの予定を聞いたら、『沢村には関係ないでしょ』って冷たく突き離されたんだ」

「それはショックだね……」



共感すると笑顔が戻った。といっても弱々しいけれど。

自分も高校時代、いきなり部活仲間に冷たい態度を取られたことがあったから、気持ちが痛いほどわかる。


だがしかし、沢村くんの場合、相手はそこそこ付き合いの長い同級生。

私に置き換えるなら、千尋ちゃんに突き離されるようなもの。心をえぐられるに決まってる。



「相当嫌だったんだろうな。その場で10分くらい叱られたよ」
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