ひだまりで誓う桜色の愛
まずインターホンを押して、ドアを開けさせてもらって、ちゃんと靴を脱いで上がるタイプ。


一見問題なさそうだが、押しかける回数が多かったり、長々と玄関で居座ったりと、少々厄介。

例えるなら、しつこい勧誘の人。


普段頼もしい分、ガツンと言いづらい……みたいな感じかな。

多分その友達は、積もりに積もったストレスが限界に達したんじゃないかと思った。



「だからあんなに小さくなってたんだ」

「うん。本当にごめんね。うざいって思ったら正直に言っていいから。むしろそうしてほしい」

「わかった。遠慮なく言わせていただきます」



でも、だいぶ反省してるし、これ以上はまた追い詰めてしまいそうだからやめておこう。


一段落したところでふと前を見ると、ちょうどお店から父が出てきた。

左手には、私がリクエストしたラナンキュラスが1本。


庭木が陳列されているおかげで、お互いの姿はハッキリ見えない。けど、買い物を終えたのなら私を捜すかもしれない。

もしこっちに来たら……。



「ごめん沢村くん。私そろそろ行くね」
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