ひだまりで誓う桜色の愛
想像しただけでゾクッと鳥肌が立つ。

1日に3回も注目を浴びるなんて絶対嫌。見つからないうちに離れなきゃ。



「待って」



荷物を持って立ち上がると、右腕を掴まれた。



「あの、言ったそばからこんなこと言うのもあれだけど……」



上目遣いで話を切り出した沢村くん。

突然のボディタッチにドキッとしつつ、固唾を呑んで身構える。



「ホワイトデーのおでかけ、延期する?」

「えっ?」



予想とはかけ離れた発言に、思わず素っ頓狂な声が出た。



「天気予報見たら、晴れ時々雨って言ってたから」

「雨⁉ それ、どこで言ってた? スマホ?」

「お昼前のニュース番組。まだ日付あるから変わる可能性もあるかもだけど……」



そうだ。あくまでも予報。確定ではない。

何度も自分に言い聞かせるが、胸のざわつきは収まらず、大きくなるばかり。


天気予報は朝昼夜、毎日欠かさず確認しているけど、週間天気予報は夜しか見ないから知らなかった。

昨日は曇りって言ってたのに、また意地悪するの……?
< 57 / 142 >

この作品をシェア

pagetop