ひだまりで誓う桜色の愛
「そこまでして安心させたいんだ。随分気にかけてるね」

「当たり前だろ。大切な友達なんだから。ほら、早く持ってって」



顎で催促し、アルバムを引き出しにしまう。


……おかしくなかったかな。
詰まらず言えてたから違和感はなかったと思うんだけど……。



「ふーん。その友達って、もしかして千早さんって人?」



名前を言い当てられてバッと振り返った。



「なんで知ってるの?」

「よくお父さんとの会話に出てたから。『今日来てたけど会った?』って。患者さんなんだね」



ニヤニヤした顔でノートを抱える理空。

その近くには、お返しのお菓子が入った紙袋。
そして明日はホワイトデー。

……勘のいい奴め。



「どんな人? 年上? 年下?」

「同い年。俺と同じ大学生」

「系統は? 可愛い系? 綺麗系?」

「元気系かな。運動神経抜群だから」
< 64 / 142 >

この作品をシェア

pagetop