ひだまりで誓う桜色の愛
視界いっぱいに入ってきた壮大な光景に感嘆の声を上げた。


手前に黄色、右奥に白、左奥には紫。
大輪のパンジーが一面に広がっている。

これぞまさに眼福。なんて美しい……。



「千早さん、せっかくだから一緒に写真撮らない?」

「いいの⁉ それじゃお言葉に甘えて……」



他のお客さんの邪魔にならないよう、道をそれて花畑の前に移動。

黄色いパンジーを背景に、沢村くんのスマホで数枚写真を撮った。



「後で送るね」

「ありがとう!」



高ぶる感情を抑えきれず、満面の笑みでお礼を口にした。


傍から見たら、たかが写真1つではしゃぎすぎだろってバカにされそうだけど、そんなの気にしない。

だって、大好きな人とのツーショットだよ? しかも背景は、愛してやまないお花の絨毯。平常心を保っていられるわけがないよ。


沢村くん、連れてきてくれてありがとう。
パンジーさん、綺麗な花を咲かせてくれてありがとう。

管理人さんも、お手入れしてくださってありがとうございます。

そしてお天道さま、空気を読んでくれてありがとうございます!


日差しが射し込む空の下、感謝の念をそれぞれに飛ばした。
< 82 / 142 >

この作品をシェア

pagetop