ひだまりで誓う桜色の愛

パンジーとビオラ、デイジーを観賞し終えた12時過ぎ。



「じゃじゃーん!」

「わぁ〜! 美味しそう〜!」



売店近くのテラス席に座り、弁当箱を開けた。


最初はガソリン代を渡す予定だったのだが、少し生々しいなと思い、お弁当に変更したのだ。


紙皿を配り、手を合わせて「いただきます」と挨拶。沢村くんの持つ箸がおかずへ伸びる。


それは唯一手作りしただし巻き卵……!

だしの量を間違えては焦がしたりで、何度も作り直して、一パック全部使ったんだよね。

お口に合うといいんだけど……。



「んんっ! 美味しい! 俺だし巻き卵大好きなんだよ〜」

「本当⁉ 良かったぁ」



張りつめていた緊張が一気にほぐれ、胸を撫で下ろした。


これまで絶品料理を食べてきているだろうから、お世辞が含まれている可能性もなくはない。

けど、料理が苦手な自分からすると、笑顔が見れただけで充分満足。

今回は冷凍食品多めだったから、次は自信持って作れるように腕を磨こう。
< 83 / 142 >

この作品をシェア

pagetop