ひだまりで誓う桜色の愛
パンジーとビオラ、デイジーを観賞し終えた12時過ぎ。
「じゃじゃーん!」
「わぁ〜! 美味しそう〜!」
売店近くのテラス席に座り、弁当箱を開けた。
最初はガソリン代を渡す予定だったのだが、少し生々しいなと思い、お弁当に変更したのだ。
紙皿を配り、手を合わせて「いただきます」と挨拶。沢村くんの持つ箸がおかずへ伸びる。
それは唯一手作りしただし巻き卵……!
だしの量を間違えては焦がしたりで、何度も作り直して、一パック全部使ったんだよね。
お口に合うといいんだけど……。
「んんっ! 美味しい! 俺だし巻き卵大好きなんだよ〜」
「本当⁉ 良かったぁ」
張りつめていた緊張が一気にほぐれ、胸を撫で下ろした。
これまで絶品料理を食べてきているだろうから、お世辞が含まれている可能性もなくはない。
けど、料理が苦手な自分からすると、笑顔が見れただけで充分満足。
今回は冷凍食品多めだったから、次は自信持って作れるように腕を磨こう。