ひだまりで誓う桜色の愛
お腹を満たした後は、もう1つのメインスポットである温室へ。

バナナの木やモンステラ、ブーゲンビリア、ハイビスカスなどの熱帯植物を観賞。

温室を出た後も、菜の花や椿など、時間ギリギリまで満喫した。



「てんこ盛りだね。1個持とうか?」

「いいよいいよ。これくらいなんのその」



午後4時。お土産が入った紙袋を両手に持って売り場を後にする。


本当はポストカードだけ買うつもりだったのに、パーカーとTシャツ、お菓子、鉢植えのミニバラまで買ってしまった。

予備に持ってきたお金を、まさか全部ここで使うとはね……。明日給料日だけど、もうすぐ学校始まるから節約しなきゃ。


出入口に向かっていると、自動ドアが開いてお客さんが入ってきた。



「うわ、マジか。千早さん、大丈夫?」

「……なんとか」



ピタッと足を止めて出入口を眺める。


視線の先には、傘をビニール袋に入れる中年男性。

まさかと思いつつ外に出ると、嫌な予感は見事的中。

どしゃ降りとまではいかないが、そこそこ強い雨が降っていた。
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