ひだまりで誓う桜色の愛
「大丈夫だって。今日はそこまで寒くないし」

「ダメ! お願いだから着替えて!」



案の定、受け取り拒否されてしまった。しかし、めげすに何度も押しつける。

最終的には、てるてる坊主をくれたお礼だと、理由を作って言いくるめ、ようやく折れてくれた。


……ちょっと強引だったかな。でも、今は季節の変わり目。油断は禁物。

本当に風邪引いちゃったら、沢村くんの家族にもバイト先にも申し訳ないから。


トイレに行く彼を見送り、急いで荷物を整理する。


とりあえず、お菓子とポストカードはお弁当と一緒にまとめて。ミニバラは倒れないように下に置こう。


植木鉢を動かそうと席を立つと、車内が揺れて沢村くんのトートバッグが傾いた。



「おおっ……と」



床に落ちる寸前で受け止めた。


ふぅ、ギリギリセーフ。まったくもう、最後まで何やってるんだか。

大丈夫かな。壊れてないかな。


確認のため中を覗くと、淡いピンクの花柄の包装紙にくるまれた四角い物が入っていた。


取り出してみたら……表面には「千早さんへ」と書かれた白いメッセージカードが1枚。
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