ひだまりで誓う桜色の愛
えっ、まさかこれって……。


目を丸くしたその時、窓にぬっと人影が現れた。



「服、ありがとう」

「ううんっ! サイズ、大丈夫そうで良かった」



ドアが開く直前、箱をバッグの奥へ突っ込んだ。


危なかった……。バレてない、よね?

まだ雨降ってるし、窓も黒いからそこまでハッキリ見えてなかったと思うし。


ただ、盛大なネタバレを食らったから、もらう時にどうリアクションしたらいいのか……。


満面の笑みで受け取るのが最善なのだろうけど、中身を知ってしまった今、上手く笑える自信がない。


だって……私の記憶が正しければ、あの包装紙は恐らく──。



──ブーーッ!



突然、駐車場に車のクラクションが鳴り響いた。



「おおっ、ビックリした。小さい子どもがいたずらしたのかな」

「そう、だね……」



ドクンドクンと速まる心臓を落ち着かせながら、震える声で返事をする。


大丈夫。ここは車の中。誰も来ない。安全だから落ち着いて。



「……大丈夫、大丈夫」

「千早さん?」

「ここは安全だから大丈夫」

「ちょっ、千早さ」

「怖くない、怖くない。だいじょ」

「千早さん!」
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