ひだまりで誓う桜色の愛
神妙な面持ちを浮かべた後、眉尻を下げて見つめてきた。



「干渉しすぎって言われたのに、本当ごめん。だけど、千早さんは大切な友達だから。少しでも不安があるなら、我慢しないで吐き出してほしい」

「……本当にいいの?」

「うん。それを解決するのが俺らの仕事だから」



拳にそっと手を重ねて微笑んだ沢村くん。


触れているのはほんの一部分。

しかし、素肌だからか、車の中で抱きしめてもらった時よりも温もりを感じる。


減薬の話、何気なく話しただけなのに、覚えてたんだ。だとしたら、ずっと気にかけてくれてたのかな。


いや、ずっとどころじゃない。
沢村くんは、出会った時から私のことを気にかけてくれていた。


最初は単なる好奇心だったかもしれない。
親の患者で、なおかつ注目を集めていた有名人だったから。

だけど、ほとぼりが冷めた今も、昔と変わらず接してくれている。



「……少し長くなるけど、いい?」

「いいよ。周り、誰もいないし、遠慮しないで吐き出しちゃって」
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