ひだまりで誓う桜色の愛


スポーツインストラクターの父と体育教師の母を持つ私は、小学生の頃から陸上をやっていた。


陸上クラブで、放課後はコーチ、家では両親の指導を受けて、毎日練習を積み重ねていた。

地元の大会では2年連続で優勝し、全国大会にも出場。6年生の時には3位になり、表彰台入りも果たした。


クラブを卒業して陸上部に入った中学時代。
本格的に選手を目指し始めた私は、さらに練習量を増やした。


友達と遊ぶ頻度は下がってしまったが、努力が功を奏し、出場した大会全てで賞を獲得。表彰台にも登壇。

実績が認められ、中3の冬、両親の母校でもあるスポーツ高校に推薦で合格した。


入学後も陸上部に入部。

嫉妬の目を向けられたり、陰口を叩かれたりと、一部の同級生から嫌がらせを受けるも、顧問の先生と二人三脚で練習に励み、乗り切っていた。



「ごめん、ちょっとお茶飲んでいい?」

「いいよ。無理しなくていいからね」



念のため持ってきておいた水筒を開けてお茶をのどに流し込み、1度深呼吸をしたところで話を再開する。


不安を抱えたまま迎えた、3年生の1学期。


先輩の推薦で副部長に就任したものの、彼女らとの関係は変わらず。

それでも慕ってくれる同級生と後輩はたくさんいたので、気にせず明るく振る舞っていた。
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