とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「……?」


「いや、何でもない。俺……琴音にはすごく感謝してる」


「私も、感謝してるよ。ねえ、龍聖君……」


「ん?」


「お願い、もっと、抱いて」


泣いても仕方ないんだ。


これが現実だから。


だったら、この瞬間は龍聖君に思いっきり抱かれたい。


泣いたりして心配かけちゃって、本当にごめんね。


「ああ。お前が望むなら、いくらでも」


濃密な時間はそこからしばらく続き、私達はお互いを満足させ合って、上り詰めるような快感に包まれながら最高の瞬間を迎えた。


息があがる程抱き合った後の最後のキス。


舌が絡み合う間、私は、龍聖君との体の相性の良さを痛感していた。


それから……


私達は、時間が許す時だけ、何かに引き寄せられるようにお互いを求め合った。


龍聖君が私に甘えてくれること、それが何より嬉しくて。


「琴音、美味しそうだな」


「ダメだよ。今カレー作ってるんだから」
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