とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
好きと言えたら~龍聖side~
「桜木 涼香様とおっしゃる方が来られてまして、ご親戚とのことで、お約束は無いそうですがご連絡させていただきました。どう致しましょうか?」


受付からの内線。


桜木 涼香、琴音のお姉さんだ。


「ああ、すまない。第3応接室に案内してもらえるかな?」


「かしこまりました」


いつかは挨拶しなければと思っていたからちょうど良かった。


約束も無しに来られて、少し心の準備ができていないけど。


どうしても俺を会わせたくないとの琴音の言葉に、結婚の報告を全て任せてしまって……


琴音は何も言わなかったけど、きっとお姉さんに色々言われたに違いない。


いい機会だ、今日は俺からキチンと話そう。


「お待たせしました」


お姉さんは、ツンとした表情でソファに座っていた。


「龍聖さん。お久しぶりね」


「今日は……わざわざありがとうございます。私の方からご挨拶に伺うべきでしたが」
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