とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
もしかして相談ってお姉さんのこと?


想像してなかったからびっくりした。


「その涼香姉さんがね。少し前に私に会いにきたんだけど、最近、龍聖君と会って話したって言うの。どうやら会社に押しかけたみたい。龍聖君は何も言わないけど、きっとすごく迷惑かけてしまったと思う」


「そうだったんだね。でも会社に押しかけるなんて、ちょっと非常識だね。あいつはお姉さんが来たことを言うと、琴音が悩むと思って黙ってたんだろうな」


「うん、きっとそうだと思う。その時にね、涼香姉さんが龍聖君に……」


琴音は、声を詰まらせ、その先の言葉にブレーキをかけた。


「大丈夫?」


「う、うん。ごめん」


「落ち着いて。ゆっくりでいいから」


「うん。あのね、涼香姉さん……龍聖君にアプローチされたって……」


「えっ?! アプローチ?」


龍聖が琴音のお姉さんに?


そんなはずないよ。
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