とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「もちろん、龍聖君は涼香姉さんにアプローチなんかしないってわかってる。なのに勝手に胸がザワザワして。やっぱりね、誰が見ても涼香姉さんはものすごく美人だから……あんな綺麗な人にアプローチされたら、普通の男性ならドキドキするだろうなって。本当、ダメだね、私。何だか頭が上手く回らない」
琴音の顔から不安な気持ちがすごく伝わってきた。
高校時代から見てきた顔。
大人びても、それは変わらない。
「それで、お姉さんは何て? アプローチされたからどうしろって?」
「……龍聖君と別れた方があなたのためよって」
「ひどいね。そんなこと言う人なんだ。龍聖がお姉さんにアプローチするわけないし、そんなの無視すればいいよ」
そっか……昔からお姉さんのことをほとんど言わなかったのは、それなりの理由があったからなんだな。
「でもね……実は、私、碧に言ってないことがあるんだ」
「言ってないこと?」
急に琴音の表情が変わり、何だかドキッとした。
琴音の顔から不安な気持ちがすごく伝わってきた。
高校時代から見てきた顔。
大人びても、それは変わらない。
「それで、お姉さんは何て? アプローチされたからどうしろって?」
「……龍聖君と別れた方があなたのためよって」
「ひどいね。そんなこと言う人なんだ。龍聖がお姉さんにアプローチするわけないし、そんなの無視すればいいよ」
そっか……昔からお姉さんのことをほとんど言わなかったのは、それなりの理由があったからなんだな。
「でもね……実は、私、碧に言ってないことがあるんだ」
「言ってないこと?」
急に琴音の表情が変わり、何だかドキッとした。