とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「碧はやっぱり絵麻ちゃんのこと好きだったんだね。そんな気はしてたけど」


「ごめん。俺こそ琴音にずっと言えなくて」


「ううん」


「もちろん琴音には相談したかったんだ。でも絵麻はいろんなやつと付き合ってて、俺には一切興味無いってわかってたから。だから、何かカッコ悪くてさ、上手く言えなかった。側にいるのに見向きもされないって、結構キツいよな」


苦笑いでごまかす。


本当は、すごくつらい時もあった。


バスケ部の仲間と絵麻が付き合うって聞いて、顔では笑って、心では泣いていた。


立ち直れなくなるくらい落ち込んだこともある。


でも、そんなのどうにもならなくて。


マネージャーとして、仲間として、すぐ近くにいるはずの絵麻を、俺はいつだって遠く感じてた。


手の届かない、高嶺の花……


惨めな自分を笑うしかなかったんだ。
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