とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「カッコ悪くなんかないよ。いつだって私は碧のおかげで頑張ってこれた。本当に「星乃 碧」はすごく素敵な人だよ」


琴音は、必死になって俺を励ましてくれた。


その優しさにいつも支えられてきたんだ。


「そんな風に言ってもらえると少しは救われるよ。でもやっぱり……俺は龍聖には敵わないってわかってたから。それこそ鳳条 龍聖は、俺達みんなの『ヒーロー』で、そんなやつに勝てるわけなくて。とにかく色々カッコ悪いんだよ、俺は」


ずいぶん情けない姿を琴音にさらしてしまってるな。


できればこんなとこ見せたくなかったのに。


「碧は、碧の良いとこがいっぱいある。私はそれをわかってるつもりだよ。碧をヒーローだって思ってた女子はたくさんいたし、今だって美容師として成功してる。碧はもっと自信持っていいんだよ」


「その言葉、そのまま琴音に返すよ。お前だって自信持っていいんだから」


「何だかお互い褒め合って変だよね」
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