とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「……ありがとう。琴音にも店長さんにも申し訳ないことをした。俺、あの時、すごくボーっとしてたんだ」


思わず顔を曇らせ、うつむいた。


「考えごとしてたの?」


「ああ。どうするのが1番いいのかずっと悩んでたことがあって。仕事中に……ダメだよな。そしたら……こんなことに。人に迷惑や心配をかけて、何から何まで本当に情けない」


「そんな風に思わないで。龍聖君、いつも頑張り過ぎなんだよ。すごく疲れてるんだから、入院中はゆっくり休んで」


それは、私の切望だった。


「ああ、そうだな……少し、休むか……」


「うん。とにかく傷が塞がるまでは絶対無茶したらダメだからね。ちゃんと休んでしっかり治す!」


「厳しいな、でも奥さんの命令なら仕方ないな。迷惑かけた分、言うこと聞くよ」


龍聖君はニコッと微笑んだ。


その時、青山さんが駆けつけてくれて、龍聖君の姿を見て泣き崩れた。


「龍聖さん! 良かった、良かった……本当に……生きていてくれて……良かった」


男同士の感動の再会。
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