とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
龍聖君は、この世界にちゃんと生きていてくれたのに。


私は、テーブルにおでこをつけて目を閉じた。


こんなにものめり込んでるっていうのに、契約結婚が解消されて、この先死ぬまで龍聖君に会えなくなったら、私……


そんなの耐えられるの?


龍聖君のいない未来を考えれば、当たり前のように胸が苦しくなって、切ないほどに泣けてくる。


それがリアルになれば、私は何もかも失い、きっとからっぽになる。


碧や綾井店長の言ってくれたように、私は龍聖君を信じてる。


うん、もちろん信じてるよ。


今のこの複雑過ぎる気持ちは、きっと……事故の動揺のせい。


今日1日、あまりにもたくさんの感情が動いたから。


私は、愛しい人が元気で側にいてくれることがどれだけ幸せなことなのか、それを痛いほど知った。


龍聖君を好きだって、改めて強く認識した。


大好きで大好きで……


どうしようもないくらい、愛おしい。
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