とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
龍聖君……


もしわがままを言っていいのなら、私はずっとこのまま龍聖君の側にいたいよ。


あなたの笑顔を……毎日隣で見ていたいよ。


そんな思いを胸に抱きながら、気づいたらテーブルに伏せたまま眠ってしまってた。


次の日から、私は毎日仕事を終えた後、龍聖君に会いにいった。


面会時間ギリギリまでのほんの短い間だけど、そのくらいの方が龍聖君の体のためには良いと思った。


とにかく、絶対に負担をかけたくなかった。


昼の間、軽く仕事はしてるけど、青山さんの配慮で必要最低限なものだけにしてくれていた。


龍聖君にすれば少々物足りないみたいだったけど。


側にいても、なるべく龍聖君を疲れさせないようにみんなで気をつけた。


黙っている時間も、話している時間も……2人きりでいられることが何より嬉しかった。


そして……


退院の前の晩、龍聖君は言ってくれた。


「琴音。今度の土曜日『リベルテ』に宿泊しよう。心配かけたお詫びに……2人きりでゆっくり過ごしたいんだ。お前の好きなもの、いっぱい食べよう」


って。
< 208 / 276 >

この作品をシェア

pagetop