とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「龍聖君…いきなり頑張り過ぎないで。私、心配だよ」


「俺は、本当に大丈夫だから。もう心配かけないって約束しただろ? バカみたいに無茶したりしない。ちゃんと考えて行動するから」


「でも…」


「ホテル リベルテは俺の誇りなんだ。子どもの頃からこのホテルに出入りして、色々な景色を見てきた。お客様やスタッフと話したり、全てのものを見聞きして、いつしかこのホテルが大好きになった」


リベルテのことを話す時、龍聖君はいつも目を輝かせる。


「本当にすごく大切な場所なんだね」


「ああ。だから、今日は琴音をここに誘った。もう、いろんなこと、我慢したくないから」


さっきまでの優しい顔が、急に真剣な表情になる。


きっと…


龍聖君の想いは私と同じ。


私だって、これ以上我慢したくなかった。


大好きな人が目の前にいて、私を見つめてくれてる。


目を逸らすことなく過ぎるこの数秒間に、どうしようもなく心臓が高鳴っていく。
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