とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
『たまにはあいつの声も聞かないとね。また連絡してみるよ』


「ありがとう。ねえ、碧は……今、どうしてるの?」


『ああ、うん。絵麻のことだよね?』


「あっ、うん」


『琴音が行ってしまってから、しばらく絵麻には何も言えなかったんだ。あいつ、龍聖のこと諦めないってずっと駄々こねてたから。俺の気持ち、簡単に弾き飛ばされそうで』


「そうなんだ……」


『もう絶対無理なのに、本当にわがままだからさ、絵麻は』


「本気なんだよね、龍聖君のこと」


ずっとずっと長い間、思い続けてるんだもんね。


私にもその気持ちは……痛いほどわかる。


『絵麻、泣いてたから……』


「え?」


『勇気を出して海の見える公園に誘ってさ。そしたら、やっぱり龍聖が好きだって泣いてたから……だから俺、絵麻に言ったんだ。俺じゃダメか? って』


「碧……絵麻ちゃんに告白できたんだ」
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