とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「えっ」


「俺、あんなカッコいい人には敵わないから。仕事上でも、判断力があって、何があっても動じない。それに、誰にでも優しくて紳士的で……だから、琴音が榊社長のこと、どう思ったかちょっと気になった」


嘘……


龍聖君、ヤキモチ妬いてくれたの?


「もちろん榊社長さんはとても素敵な人だけど、男性としては、龍聖君の方がずっとずっとカッコいいって思ってるよ」


私なんかが、何を言ってるんだろう。


かなり恥ずかしい。


「……なら良かった。じゃあ、行ってくる」


「あっ、うん。お仕事頑張ってね、気をつけて」


「気をつけるのは琴音だろ。お腹、冷やすなよ」


「うん、わかってる。今日からこの可愛いマタニティのパジャマを着るの楽しみだな」


「ああ、きっとすごく似合うよ。今夜、帰るのが楽しみだ。本当に……大事な大事な俺達の赤ちゃんがここにいると思うだけで幸せな気持ちになる」


龍聖君は、私のお腹を優しくさすった。
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