とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「そうだね、ここにいるんだよね。何だか不思議」


龍聖君との間に授かった大切な命。


赤ちゃんができたとわかって、2人ともどれだけ喜んだことか……


あの時の感動は一生忘れられない。


自分のこのお腹の中に別の命が存在するなんて……


言葉では言い表せないくらい幸せな感覚だ。


「俺には、お前達が世界中の誰よりも大切なんだ」


「……うん、ありがとう。私も大切だよ。龍聖君と赤ちゃんのこと、何よりも1番大事」


本当に、心からそう思ってる。


泣きそうになるくらい、そう思うんだ。


龍聖君は、優しい表情でうなづいて、そのまま仕事に向かった。


「行ってらっしゃい、頑張ってね。気をつけて」


タクシーに乗り込む龍聖君に向かって、私は小さな声でつぶやいた。


「もう少し何か見てみたいな……」


せっかく来たんだし、私はあと少しだけここで買い物することにした。


その前にカフェでひと息。


イスに座ってアイスのロイヤルミルクティーを注文した。


私は今、妊娠5ヶ月。


まだお腹はそれほど出ていないし、つわりもほとんど無かった。
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