とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「うん。美容師は天職だと思ってるから。ずっと……続けたい」


「そっか……ちょっとホッとしたよ。碧は人気があり過ぎて、いつもすごく忙しくしてるから、絵麻ちゃんが寂しがると思って辞めちゃうんじゃないかって。碧の人生だから私がとやかく言うことじゃないけど、でも、碧には美容師を続けてもらいたいって思うから」


「ありがとう、琴音。たぶん、俺は美容師以外の仕事はできないと思う。確かに忙しいけど、美容師もちゃんとやりながら、絵麻1人に子育ての負担をかけないように、できることはなるべく一緒に頑張りたいと思ってるんだ」


「碧は本当に優しいね。そういう姿勢、すごく素敵だよ」


「子育てなんて未知の世界だけど、俺は父親になるんだし、しっかりしないとね。絵麻もママになること、すごく喜んでるしね。あいつ……この前、名前に『龍』か『聖』を付けようかなって言って笑ってたよ」


苦笑いの碧。


でも……すごく幸せそうだ。


ずっと大切に想ってきた絵麻ちゃんとの子どもだもん、嬉しくてたまらないよね。


私も……もちろんそうだから。


赤ちゃん、生まれてくるのが楽しみだね、お互いに。
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