とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
龍聖君も私も……その糸をずっと離さずにいたんだ。


嘘みたいに長い間、ずっと繋がっててくれてありがとう、よく頑張ったね、私達の「赤い糸」。


これから先、未来に向かってゆっくり歩きながら、おじいちゃんおばあちゃんになっても、その赤い糸は離さないから。


離したく……ないよ、絶対に。


「みんな、バスケやろうぜ」


仲間の誰かが言い出した。


「やろう! ボール触るの久しぶりだな。みんな、もう若くないんだから、無理して怪我するなよ」


「確かに、足とかもつれたりして。怪我して仕事休むとか勘弁、カッコ悪すぎるだろ」


「それなりに歳を重ねたからな、俺達。もうみんなおじさんだな」


そう言いながら、高校時代のバスケ仲間は立ち上がって、それぞれ簡単な準備体操を始めた。


「でも、龍聖だけは……おじさんじゃないけどね」


碧がニコッと微笑んで言った。


「碧もな」


龍聖君も笑った。
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