とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「いや、答えを急ぐのは良くないよね。ごめん、突然……驚かせてしまったね。でも、僕は本気だから。ちゃんと、考えてほしい。君のことは僕がちゃんと守るから」


綾井店長……


これは、きっと「告白」なんだよね?


それは……私にも何とか理解できた。


相変わらず体は動かないし、何も言えないままだけど、涙だけは自然に溢れ、頬をつたってこぼれ落ちた。


「琴音ちゃん、さあ、駅に着いたよ。今日は色々悪かったね。一緒に食事ができて楽しかったよ。また僕から声をかけるから」


車が止まり、ようやく「ありがとうございました。今日はご馳走様でした」そんなありきたりな言葉だけが出てきた。


「じゃあ、気をつけて。また明日ね」


「は、はい。また……」


綾井店長は優しく微笑みながら、駅に向かう私を見送り、そして、左側のドアを開けて車に乗り込み去っていった。
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