とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「私、友達多いじゃない? 色々な情報が入ってくるから。確か、店長の名前は『綾井 俊哉』だったかしら?」


そんな細かいことまで……


涼香姉さんのネットワークは本当に恐ろしい。


「そ、そうだけど……」


「店長さん、今度紹介してよ」


「えっ、紹介?」


「妹がお世話になってるんだから、ご挨拶するのが当たり前でしょ?」


「そ、そんなことしなくて大丈夫だから。綾井店長は忙しいからいつ店にいるかわからないし」


挨拶なんて言ってるけど、何を考えてるかわからない。


「まあいいわ。それよりこの部屋ちょっと狭くない? 私の部屋の半分も無いけど」


涼香姉さんは、首を動かしながらジロジロと部屋を見回した。


とても気の毒そうな顔をして。


「広すぎても掃除に困るし、私にはこのくらいがちょうどいいの。姉さんは家賃とか大丈夫なの?」


百貨店のお給料がどれだけあるか知らないけど、あのマンションはかなり高いはず。
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