とろける程の甘美な溺愛に心乱されて～契約結婚でつむぐ本当の愛～

「でもね、私はもう子どもじゃないし、別に挨拶なんて必要ないの」


「そんなことどうでもいいわ。ねえ、店長さん。俊哉さん、とっても素敵ね」


「しゅ、俊哉さんって……」


いきなり名前で呼べるとこ、したくないけど尊敬してしまう。


「だって、綾井店長だなんて堅苦しいでしょ？」


「あの人は涼香姉さんより年上だからね。失礼があったら大変だから」


「年上の男性って、本当に素敵。俊哉さんには私みたいな大人の女性が似合うと思うし、今度デートに誘いたいから、いつなら都合がいいか聞いておいて」


「ね、姉さん！？」


あまりに身勝手な言葉に、驚きを通り越して呆れる。


「私も俊哉さんも、お互いに独身同士なんだから問題無いでしょ？」


だからって、どうして私が2人の間を取り持たなきゃいけないの？


涼香姉さんの嘘みたいな行動には全くついていけない。