ROCKな人魚姫《前編》
「じゃあ、またなぁ。」
「れんちゃん、またねぇ。」
あまり、会話をすることも無くファミレスを出て二人と別れる。
虚しさだけが残った。
ユウに対するドキドキとは違う、また別の感情。
だけど、恋にも似たこの気持ち。
本物の「恋」はどっち?
帰りの電車で考えていたが、結論は出ない。
正直、二人とも大切。
ユウが好きだと自覚できたのは、しばらく高明くんに会っていなかったからだということに気づいた。
それなら、あたしは、ユウと高明くん、どっちが好きなんだろ・・・?
せっかく結論がでたと思ったのに、またあたしの気持ちがわからなくなった。