ROCKな人魚姫《前編》



「おはよ。」


部室の扉を開ける。

ユウだけかと思い、ドキドキしながら開けたが、珍しくシノブも来ていた。


ユウのことばかり考えていたので、少し拍子抜けした。


「おー、れん。早く始めようぜ。」



「あっ。だねぇ。」


シノブを見ると、あたしのバンド魂が再び蘇った。

あたし、バンドやるためにここ来たのに。


でも、ユウの顔を見て平常心でいられる自信はなく、なるべくユウと目が合わないように機材の準備を始めた。





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