ROCKな人魚姫《前編》


「でさぁ、ライブまでもう時間少ないだろ?今度の日曜日、俺の地元の会館の一室借りれるから、練習な?俺の友達のボーカルとギターも呼ぶし。」



突然の提案に驚いた。


シノブがバンドのために部室が使える時以外の時間を作るなんて思わなかった。

何も予定のないあたしはすぐ賛成した。



「練習する時間、何時から何時まで?」



「朝9時から夜9時まで借りてある。」



………



長っ!


本当にまる一日だ。


その時間の長さにユウは戸惑っていたが、半強制的に日曜日の練習が決まった。



学校以外でユウに会えるなんて、夢みたいな話だし、あたしは浮かれていた。




これがきっかけであることに気付かされるとは、考えているはずもない…



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