ROCKな人魚姫《前編》
日曜日の朝は、いつも以上に早起きした。
朝が苦手なあたしだけど、アラームの前に目が覚めてしまった。
まるで、遠足前で眠れなくて興奮してる子供みたいに。
シノブの地元は、大学の最寄駅の先にある。
だから、大学行く時よりも早く出ないと間に合わない。
ささっと朝食を済ませ、念入りに化粧をする。
バンド練習じゃなくて、デートに行くみたいな気分。
鏡で、全身を確認すると、ベースを肩にかけ、家を出た。
はりきって、家を出て電車に乗ったが、電車に乗っている時間はいつも以上に長い。
それに、朝早かったし、電車に揺られながら少し眠ることにした。