ROCKな人魚姫《前編》
「おっ。いたいた」


喫煙所に向かって、高明くんは手を振った。


「おっす」


喫煙所にいるみんなも高明くんに向かって声をかける。

そんなやりとりをあたしはきょとんとしながら見ていた。

「あっ。あいつら、さっき友達になったやつら。同じ一年だから緊張しなくていいよ。みんないい奴だから。」


人見知りのあたしを察してなのか、高明くんはそんな言葉をかけてくれ、少し心に余裕が生まれた。



「あっ。こいつ、れんって言うんだ。さっき友達になったんだ。」

「おーよろしく!俺、シノブって言うんだ。」

真っ先に声をかけてきたシノブ。

背は・・・180はある。

高い背に、すらっとした体形。

少し茶髪の長めの髪に、綺麗な瞳。

まさに美形の男子!!

女の子にモテそうなルックス。


「・・・こちらこそ、よろしく」

何を話していいかわからなくて、あいさつだけした。


会話が続かない。


人見知り全開のあたしを見て、高明くんは続かなくて沈黙してしまった空気を割った。


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