ROCKな人魚姫《前編》
ユウ。
シノブとは正反対で、おとなしめな彼。
黒髪の短髪で、ワックスで整えているのか、ツンツンのパンクスタイル。
背は170ちょいくらいだと思うが、ツンツンした髪でもう少し高く見える。
ちょっと見た目は近寄り難そうな感じだけど、音楽やってる人に悪い人はいない!!とあたしは思っている。
「じゃ、俺ら、バンド組もうぜ。」
「うん!!!!」
突然のお誘いだったけど、あたしは即答で返事した。
たった今、
シノブその一言で、あたし達のバンドが生まれた。
「じゃあ、またな!!」
シノブは短くなったタバコを消し、あたしたちに右手をあげてあいさつするとユウとその他何人かで帰っていった。
「おう。」
「またね。」
あたしと高明くんは、シノブたちの背中を見送った。