ROCKな人魚姫《前編》
全てを話し、あたしたち二人はしばらく無言になった。
「…難しい問題だね。」
その沈黙を破ったのはエミだった。
自分の気持ちをどう言葉で表していいのかわからず、あたしは話し出すことができなかった。
「…よく、バンド募集でさぁ、男限定っていうのは、男女でバンドをやっていると、こういう恋愛問題がでてきちゃうからなんだよね。」
近くに置いてあった音楽雑誌をパラパラとめくりながらエミがつぶやくように話した。
「…だよね。」
そう答えるのが精一杯だった。
「それで、れんは、この先どうしたいの?」
今の気持ちを正直にエミに伝えた。