ROCKな人魚姫《前編》


シノブは学校で見かけることが少ない。


授業も出ていないことが多いのだが、そのへんはうまくやっているのだろう。


「そっか。でも、二人は???」


迎えに行ったと言う、カズヤさんとタクマさんの姿が見当たらない。


リハーサルの時間も刻々と迫ってきているし、少し不安になった。


「心配すんな。ちゃんと来てるし。外で飯食ってから来るって言ってたから。」


そんなにも不安が表情に表れていたのか、あたしの心を読んでいた。


それに安心し、適当にオニギリやサンドイッチを手に取り、購入した。






コンビニを出ると、3人でライブハウスに向かう。


その間、特に会話はしなかったが、会話しなくても音楽で繋がっているような気がした。








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