ROCKな人魚姫《前編》
ひとまず、入部手続きが済み、ホッとした。
勢いに任せて突っ走ってきたけれど、先輩たちはバンドマンオーラを放ちすぎていた。
それだけで、この人たちがとてつもない音楽を奏でるんだろうことが予想できる。
来年後輩が入ってきたときには、そんなオーラを出せているような人になりたい。
気づけばそんな思いを抱いていた。
・・・ところで、シノブとユウはこのサークルに入るのだろうか。
どうするのか聞こうと思ったけれど、バンドが組めることに浮かれすぎて連絡先すら交換してなかったことに気づいた。
でも、あの喫煙所に行けば会えるだろうと思い、今日の講義だか説明会だか時間の時間まで、喫煙所で時間を潰そうと決めた。