ROCKな人魚姫《前編》




中で行われているバンドの音が少しだけ漏れて、小さく聞こえてくるのがBGMのように感じた。


とにかく、ユウが元気になってくれれば・・・

思いついたことを次々と口にした。



「・・・ライブ前も言ったけどさ、あたしはユウのドラムが大好きなんだよ?今日みたいに失敗したドラムだって、ユウが叩くドラムには変わりないでしょ。それも含めて大好きなんだから。ユウのドラムがあるから、あたしはキラキラしていられるんだよ。」



言った後に、少し恥ずかしくなった。



「ありがとな。」


ユウは一言だけ返事し、タバコの火を消した。


「前にも約束したけどさ、シノブを見返すのがあたしたちの目標でしょ?」





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