ROCKな人魚姫《前編》
あたしの言葉にちらっと目線をあげた。
「ねっ。来週から、うちら二人だけだっていい。頑張ろうよ!!」
しばらく何か考えていたようだったが、立ち上がりユウが口を開いた。
「・・・だな。」
ユウの顔に少しだけ笑顔が戻った。
その顔を見て、あたしはほっとした。
「・・・よし。他のバンド見るために中戻るかっ?!」
ユウはそれからすぐにもう一言付け足した。
「・・・れん。これからもよろしくな。」
そう言ったときの笑顔は、あたしがあの時ドキッとした笑顔だった。
「もちろん!!」
元気よく返事をし、あたしはユウの背中についていった。
【End】