ROCKな人魚姫《前編》
「あれ・・・・」
教室は入学式を終えたあと、説明会がひらかれていた大教室。
確か、昨日はここがいっぱいになるくらいに人がいて。
説明が始まる時間には、座れない人も何人かいたはず・・・。
今朝は、見ただけで明らかに人が少ないとわかるくらいだ。
まばらに座っている人たちを見回すけど、
シノブとユウの姿はない。
「あいつら、早速サボりか?」
「かもね。」
大学ってこんなものなんだろうか。
ちゃんと時間通りに来た自分がなんだかバカらしくも思えた。
結局、時間になっても2人がやってくることはなく、
あたしは高明くんと2人で今日の講義を聴くことにした。
講義といっても、授業の案内とか、昨日の説明の続きだけだけど。
その講義中もあたしと高明くんは、
どの授業をとるか、二人で計画したり。
大学の授業は1限が90分だけど、
長いとも感じず、この時間はあっというまに過ぎていった。