ROCKな人魚姫《前編》
「おい、何ぼけっとしてんだよ~。いつまでも燃え尽きたタバコ持ってんじゃねーよ」
半分からかったように、二人分のジュースを取ってきて椅子に座りながらあたしの顔を覗き込む。
「別にー。ジュースが遅くて待ちくたびれてただけだよ。」
嫌味っぽく返事するあたし。
だけど、こうやって、素の自分でいられるのはすごく楽なんだ。
他愛のない会話が出来る事。
友達を作ることが苦手なあたしにとっては、すごく幸せな事。