ROCKな人魚姫《前編》
「学食の塩ラーメン、おいしいんだよねぇ。」
愛子がおいしそうに麺をすする。
あたしと恵は、うどんを注文した。
女の子同士の3人のお昼。
ただただ、バンドがやりたいために来た大学だけど、こういうのも悪くない。
「そういえば、れんってさぁ・・・」
うどんを食べるのを止め、恵が話かけてきた。
「ん?」
ストレートの髪にきれいな顔立ちの恵。
クールで、愛子とは正反対の性格だ。
「バンドサークルやってるよね?」
改まって聞くようなことではなかったが、真面目っぽく恵が聞いてきた。
「そーだよ???」
今更な質問に、頭の中は疑問符でいっぱいだ。
惠子は、水を一杯飲みほすと、
「・・・じゃあ、シノブって知ってる~?」
少し、顔を赤らめながら質問してきた。