ROCKな人魚姫《前編》


――バタン


あたしの視界に広がった大講義室は、まさに、ドラマとかで見たことがある風景そのものだ。



映画館のように、後ろへ行くたびに高くなっていく傾斜に、


何百人と座れるだけの机とテープル。


教壇の上には講義で使われると思われるマイク。



高校の時までは、こんな広い教室で、

まして、マイクを使って授業するなんてこと無かったから、

この空間が新鮮でたまらなかった。



自分の知らない空間へ来たことによって、

夢にも一歩近づいた気持ちさえした。




< 7 / 202 >

この作品をシェア

pagetop