ROCKな人魚姫《前編》


「ねぇ、隣、いい?」

「あ・・・うん。」


声のするほうを見上げると、

黒髪で短髪。

ピアスもあけてない。

背も、高いわけでも低いわけでもない、見た目は至って普通の男の子がいた。

・・・この年で男の子は失礼かな。



返事を聞くとすぐさま、あたしの隣に座った。

「友達できた?」

「・・・え?話かけられたの今が始めてだけど?」

「マジで!!俺、もうかなり友達できたよ」

「そうなんだ。」


次から次へと繰り出される言葉。

どうやら人見知りしないタイプらしい。

自分にはできないことをいとも簡単にできてしまうこの人がちょっぴり羨ましくも感じた。

「あっ。俺、石井高明。名前なんていうの?」

「あたし?れん。小野瀬れんだよ。」

「よろしくね」

「こちらこそ」





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