好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
***
そうして、アリスが本当にこの屋敷を去る日がやってきた。
屋敷はお祝いムードに包まれ、みながアリスを取り囲んでいる。
レヴィはみんなの輪に入ることができないまま、アリスの出立に向けた最終確認をしていた。
(本当に、嫁いでゆかれるのだな……)
すっかり空っぽになったアリスの部屋。ここで幼いアリスの遊び相手になった日々が走馬灯のように浮かび上がり、レヴィはそっと瞳を細める。
一使用人であるレヴィはアリスの結婚式には出席できない。このため、あれ程見たいと望んでいたアリスのウェディングドレス姿も結局見れずじまいだ。本当だったら試着の折に見せてもらえたはずなのだが。
「……レヴィさん、そろそろ下に降りましょう。お嬢様のお見送りにいかないと」
侍女の一人に声をかけられ、レヴィは静かに立ち上がる。いよいよ別れのときがきてしまったようだ。
「――――ええ」
涙をこらえ、前を向く。
もしこの機会を逃したら、アリスとは二度と会えなくなるかもしれない。
寂しい。
苦しい。
レヴィは己の心を宥めつつ、アリスの元へと急ぎ向かった。
そうして、アリスが本当にこの屋敷を去る日がやってきた。
屋敷はお祝いムードに包まれ、みながアリスを取り囲んでいる。
レヴィはみんなの輪に入ることができないまま、アリスの出立に向けた最終確認をしていた。
(本当に、嫁いでゆかれるのだな……)
すっかり空っぽになったアリスの部屋。ここで幼いアリスの遊び相手になった日々が走馬灯のように浮かび上がり、レヴィはそっと瞳を細める。
一使用人であるレヴィはアリスの結婚式には出席できない。このため、あれ程見たいと望んでいたアリスのウェディングドレス姿も結局見れずじまいだ。本当だったら試着の折に見せてもらえたはずなのだが。
「……レヴィさん、そろそろ下に降りましょう。お嬢様のお見送りにいかないと」
侍女の一人に声をかけられ、レヴィは静かに立ち上がる。いよいよ別れのときがきてしまったようだ。
「――――ええ」
涙をこらえ、前を向く。
もしこの機会を逃したら、アリスとは二度と会えなくなるかもしれない。
寂しい。
苦しい。
レヴィは己の心を宥めつつ、アリスの元へと急ぎ向かった。